INTERVIEW
たくさんの人々に寄り添える言語聴覚士になるために
言語聴覚士はコミュニケーションの専門家
私は子供の頃から話そうとすると、どもってしまう、詰まってしまう吃音(きつおん)という症状を抱えていました。リハビリや発声の訓練をしていたこともあり、私の中でリハビリは常に身近にありました。そして高校生の進路選択の際にインターネットで検索した際に言語聴覚士という職業があることを知りました。言語聴覚士はSTと呼ばれ、言語や発声・発音、聴覚、認知などの機能が損なわれておこるコミュニケーション障害に対して支援を行うコミュニケーションの専門家だということを知り、興味を持ちました。当時はまだ言語聴覚士という職業があまり認知されてなかったのですが人との繋がり合いや気持ちを通わせることが困難である、つらさを私自身理解していたので、その人の気持ちに寄り添いながら、支援できる言語聴覚士を目指そうと決意しました。
信頼関係を築くことの大切さ
言語聴覚士として大切なことは数えきれないほどありますが、ご飯をおいしく食べることや、人との繋がり合いは、人が根本的に持っている大切な欲求だと思います。言語聴覚士はそういったことが出来ないつらさを抱えている人の気持ちに寄り添いながら、コミュニケーションの手段を示していきます。その時に気をつけていることは、私のひと言が患者さんの生活や人生にもつながっていきますので、常に真剣に向き合うようにしています。そうした関係性の中から生まれてくるお互いへの「思い」が信頼関係につながると思います。言語障害の治療や機能回復の訓練は長期間に渡ることもあります。
粘り強く、患者さんを不安にさせないよう支えていきながら信頼関係を築くことが言語聴覚士のもっとも大切な役割だと思います。
表現できない思いをくみ取ることも大切
最近の医療現場で「チーム医療」といって他職種の情報を集めて総合的に患者さんを診ていくことが望ましいという流れになってきているかと思います。
言語聴覚士も、こうした変化に対応することが求められます。自身の強みを活かしながら、これまでよりも広い視野を持って患者さんと接する必要があります。言語聴覚士という職業は、患者さんの人生に深く関わる仕事ですので、日頃から患者さんの趣味、思考、ライフスタイルなども理解しておくことで、言葉で表現したくてもそれが困難な人の思いをくみとることができるようになると思います。このような言語聴覚士としての専門性を活かしながら難聴者に喜んでいただけた時はとても嬉しく思います。
言語聴覚士も、こうした変化に対応することが求められます。自身の強みを活かしながら、これまでよりも広い視野を持って患者さんと接する必要があります。言語聴覚士という職業は、患者さんの人生に深く関わる仕事ですので、日頃から患者さんの趣味、思考、ライフスタイルなども理解しておくことで、言葉で表現したくてもそれが困難な人の思いをくみとることができるようになると思います。このような言語聴覚士としての専門性を活かしながら難聴者に喜んでいただけた時はとても嬉しく思います。
学生生活を通して自然と身についた力
沖縄リハビリテーション福祉学院で学んだことで一番良かったことは接遇です。先輩や後輩、クラスメイトである仲間たちと日々相談しながら勉強をしたり、連携をとって実習に望んだりできたことで自然にコミュニケーションする力が身についたことが一番良かったことだと思います。また、リハビリの専門分野である講師の方々に直接指導していただけた貴重な経験は、今の現場でも実際に活かされています。
これから言語聴覚士を目指す方へ
Takahito Nakamura
仲村 隆仁
(株)メガネ一番補聴器センター 言語聴覚士/補聴器センター主任
2011 言語聴覚学科 卒業
言語聴覚士の職業は病院や施設といった枠組みを超えて様々な場面で活躍できるだけの可能性を秘めている職業だと思います。学びの中で、病院で働きたいという個々の目標があってもいいと思いますが、一人ひとりが枠にとらわれずに、もっと自分が学んだことを、臨床現場で、どのように役立てることができる、ということ考えながら勉強に励んでいただけたらと思います。一緒に頑張ってくれる同輩ができることを期待しています。